文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

罪より重い罰を与えよう(新田怠惰佑)

罪人にどのような罪を与えどのような苦痛を与えれば罪人は反省し、後悔させることができるだろう──?

シューベルトならボナパルティズムならバスコ・ダ・ガマなら世界的偉人に罰を与える権利というものがあるとすればどのようなものを提出し、採用しただろう──。

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どのような人間にどのような罰を与え、どのような状態に持っていくかは各々の自由。小さな太陽系に住む生物という大きなくくりでいえば罰を与えるのも与えられるのも人間しかおらず、だからこそ罪に人という字をあてて罪人と読ませる。そこは読み方を『あくま』にしても、「違う、罪人と書いてを悪魔と呼ぶなど言語道断。罪人も人と書く以上は人間である。」と異を唱えるものはいない──。
それがこの世界、それが宇宙。いや、太陽系。
罪人が勝手に裁かれる世だから足を伸ばして広いベッドで気持ちよく睡眠という比較的安易な行為が安直に出来てしまう。ピンピンと伸ばした足は女と男では意味が異なる。


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じゃあどのような罪を与えることが最善と言えるのか。無論与える側に負担があってはならぬ。ここは江戸でない。罪人は自らで腹を切ることで武士であるがまま死ぬなんてことがまかり通らない。
銃刀法違反だ、法律を違憲してまで何を求む──。

罪に罪を重ねるのか。重ねてもうな重はうな重だぞうなうな重重はならない。ご飯が大盛りになって量を誤魔化される。 誤魔化すとは元々 ごまをちょろまかすという所から来ているらしく、誤魔化すという行為も罪人と認定される。誤魔化す→嘘つき→詐欺→犯罪→誤魔化す→嘘つき→詐欺→犯罪の繰り返し。 

──『無限の猿定理』と呼ばれるランダムに文字列を作り続ければどんな文字列もいつかはできあがるというように、嘘をつき他人を欺いていればいつかは罪となる。


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──1ついい案が見つかった。くっくっくっくっく
ああこれは名案に次ぐ名案。それは与えるものには負担がかからず、それ故に金銭面の心配もない。その上で罪人にそれ相応の罰を与えることができる。ペンペルのカラスと呼ばれる対偶論法を参考にした案だ。


白い箱を用意します──。
人間の頭部がすっぽりと入るくらいの大きめで、有料レジ袋より一回り大きいくらいでいい、あまり大きすぎると罪人にもアレにも逃げられてしまう恐れがある。白い箱の中にとかげ。 そう、そのとかげを65000億匹うじゃうじゃと用意して白い箱の中に入れる。そしたらとかげはペロペロと罪人の皮膚を舐めるだろう。皮膚を舐められた罪人に一言こう言ってやるといい。
「これが俗に言う、毒とかげやけん。命乞いしとおても今のうちやけん。」そうすれば罪人が次に取る行動は考えるまでもない。音を立ててその場をのたうち回る。逃げても逃げても後の祭り。精々自らの人生を今のうちに振り返っておくんだな。最後はとかげに舐められて死ぬのがお前の人生だよ山本君──。

────End────

作 新田怠惰佑
原案 虫食いコウタ (劇団 アルペニオ所属)