文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

風ふわり(にかしど)

炎天下、陽炎、滴る汗。

ウグイス嬢「日ノ出丘高校三番、バッター、鮫島」

1点を追いかける展開のまま9回裏、2アウト、2ストライク、1ボールのもうあとがない場面。甲子園出場を懸けた予選準々決勝。

沸きに沸く観客、飛んでくるチームメイトの叫び、滴り落ちる汗、握りしめるバット...風。


静寂。


ピッチャー!投げた!

(今、風が見えた気がした。よし!このゆるい投球なら絶対!)ふわ、ふわわ、ふわふわふわふわ、ふぁ、ふわふわふわ、ふわふわ、ふわぁー、ふわふわ、ふわぁー、ふわふわふわふわ、ふわわー、わわー、わぬー、ふわふわふわふわふわふわふふわぬー、ぬぬふー、ふふわ、ふわ、わわわふぬわー、ふわ、ふわわ、ふわふわふわふわ、ふぁ、ふわふわふわ、ふわふわ、ふわぁー、ふわふわ、ふわぁー、ふわふわふわふわ、ふわわー、わわー、わぬー、ふわふわふわふわふわふわふふわぬー、ぬぬふー、ふふわ、ふわ、わわわふぬわふわふわ、ぬわー、ふわ、ぬぬー、わー、ふわふふふわー、ふふふわー、ぬふーふわぁー、あー。

 

花田「なあ!鮫島!こっち来るさ!」

鮫島「今行かあ!」

野球部員一同の狂喜。

花田「鮫島、この靴下臭ってご?」

佐田「おい、返せや」

鮫島「いやだ、見るからに臭そうだで」

佐田「俺のだよ!返せや」

鮫島「おい、この臭え靴下丸めて投げてや、俺打ったら!」

野球部員一同の狂喜。

茂山「いいねえ!」

花田「おい、行くぞお!」

ふわふわふわー。
パシュッ!ストライクッ!!ゲームセット!!