クラスの中で私の娘だけが茶髪だ。娘から聞いてた状況とは違い、真面目なスタイルの生徒達でクラスは埋まっていた。ピアスも娘だけだ。
娘は退屈そうに窓の外を見ている。参観日であることはお構いなしだ。学校に行ったふりをして休んでいたことを思えば、教室に居てくれていただけでよしとしよう。
運動場では他のクラスが羽子板のようにテニスをやっていた。
隣のクラスに娘の彼氏が居るという。妻から特徴を聞いていた。覗いてみると真面目に授業を聞いている神木隆之介がすぐに見つかった。そっくりだ。
「でかした。」
私は小さくガッツポーズをとった。
娘の教室にもどった。同じ姿勢で教科書もノートも触らずにぼんやりしている。授業がわからないのだろう。他の生徒もついていってない。先生は天井を見ながらしゃべってる。
もういちど神木隆之介を見に行った。