文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

xissa

60,61/101(xissa)

叶わないまたねがポケットの中に/甘えていますが知らない猫です

58,59/101(xissa)

満月これは土の匂い/自意識前髪で隠す

56,57/101(xissa)

海の上風ばかり/切った裾も貰う

54,55/101(xissa)

酢豚のタマネギが白い/校舎の湾曲をすべる夕陽

52,53/101(xissa)

行ったきり帰って来やしない/結末が思い出せない

50,51/101(xissa)

贈るとは言い難く梱包する/凍るユリカモメの赤い脚

48,49/101(xissa)

シャボン玉みたいに触ると消えるもの/そのように生まれたものだから

46,47/101(xissa)

空耳たぐりよせる/踊らぬ阿呆が凝視している

44,45/101(xissa)

鍋奉行がヤバい/ひなた剥がしてきて眠る

42,43/101(xissa)

傘の柄で漸く引っかかっている/『村田』の柄杓を黙って借りる

40,41/101(xissa)

貝柱に秋の風/さびしい場所でスイカが冷えている

38,39/101(xissa)

ひまわりの影が細い/捨てられた扇風機が空を見上げている

36,37/101(xissa)

旨いが二度と作れない/全部売り切れ

34,35/101(xissa)

あめ玉は夕焼けのように溶けてしまった/失くす以前に持ってなかった

32,33/101(xissa)

土踏まずは知らない泥の道/人のつむじしか見るものがない

31/101(xissa)

空瓶美しく酔っている

29,30/101(xissa)

ワイパー空振って町は滲んでいる/灼けつく駐車場の無口

28/101(xissa)

港町錆びて軋む

書き出し自選・xissaの5作品(xissa)

xissaです。きさ、と読みます。 ほんとにそう読んでいいのかどうか、私も詳しいことはわかりません。 検索すると「もしかしてissa?」と訊かれますが私はDA PUMPではありません。USAではないのです。 私のxissaは ここの、 ここ です。行ったことはありませ…

26,27/101(xissa)

おみくじが良すぎる/制服の自分が他人だった

24,25/101(xissa)

我に返る自分がない/コンビニ明るい淋しい

23/101(xissa)

今日の分の味噌を掬う

22/101(xissa)

電車の中で誰ですかかぼすの匂い

20,21/101(xissa)

パチンコ店喫茶白ばら総菜屋の並び/アンティークといえばそうだが

19/101(xissa)

背中の夕焼けがすごいらしい

17,18/101(xissa)

他人の家のさわやかな朝 /途中の空を見上げる

16/101(xissa)

引き返し時見失ってさらに右折

14,15/101(xissa)

変則五差路を数えなおす/まっすぐすぎる道で暑い

11,12,13/101(xissa)

陽ざらしの洗濯バサミ砕ける/早朝のわたり鳥をひとりで見ていた/宵の口にうつむく水銀灯

自由律に散文  5 (xissa)

ひとくち飲んで注ぎ足す麦茶