紅井りんご
麻理子は嗚咽した。 人生で三十回目の誕生日を迎える矢先、二年ほど交際していた恋人の陽平から突然別れを告げられたのだ。それもLINEの長文で一方的に。 シンクロするように音も無く降り出した雨が、夜の窓に曲線を描いている。 明日は土曜日。誕生日が平日…
麻理子は嗚咽した。 人生で三十回目の誕生日を迎える矢先、二年ほど交際していた恋人の陽平から突然別れを告げられたのだ。それもLINEの長文で一方的に。 シンクロするように音も無く降り出した雨が、夜の窓に曲線を描いている。 明日は土曜日。誕生日が平日…