文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

にかしど

3円 (にかしど)

(まえがき) 『バスガイドは本日も、名前を申し遅れようと決めている。』 僕が勝手におもうバスガイドの生態。バスガイドはよく「申し遅れました、わたくしバスガイドの○○でございます」という常套句を、右手の景色を見せた後に口にする。何年間も同じ業務を…

風ふわり(にかしど)

炎天下、陽炎、滴る汗。 ウグイス嬢「日ノ出丘高校三番、バッター、鮫島」 1点を追いかける展開のまま9回裏、2アウト、2ストライク、1ボールのもうあとがない場面。甲子園出場を懸けた予選準々決勝。 沸きに沸く観客、飛んでくるチームメイトの叫び、滴り落…

蟹の内輪差(にかしど)

(まえがき) 忙しさのあまり蟹の並ぶ列に横入りした。忙しさのあまり蟹の不器用さに薄笑いを浮かべた。忙しさのあまり蟹を剥かずに食べた。忙しさのあまり前しか見られなかった。 そんな激動の日々から一変した。方々から、感染症拡大防止のため外出を控える…