くのゐっちゃんよりバトンをいただきました義ん母です。 書き出し小説に投稿を始めたのは無職だった頃。ちょうど「無職」がテーマだった回に投稿したのがきっかけであります。以来おおよそ150回まで参加させていただきました。私にとって書き出し小説は青春…
「見つからない犯罪は犯罪じゃない」先輩はそう呟いた。もう夜の12時を回ろうとしているのに、先輩とぼくは2人で暴力団の事務所に侵入し、宝石を探している。「先輩、絶対やばいですって」「そう言いながら、お前だって金の欲しさに付いてきている」「これ…
あるヒューマノイド(もしくは人間)が、ある人間(もしくはヒューマノイド)を殺しました。 *** 数年前、人間は、人間のような機能を備えたロボット『ヒューマノイド』の開発に成功した。人間の生活を便利にするために、という目的で開発されたものだった。…
今日はね、じゃがいもと玉ねぎとにんじん、そして牛肉を用意してるんだよね。そう、「あの料理」を作るんだよね。 他の具材は要らないんだよね。選別は、もう始まってるんだよね。 ゾルタクスゼイアン 野菜はね、皮をむいて、適当に切る。 まず鍋でお肉を炒…
あれは20世紀の終わりのこと、私は長距離恋愛をしていた。 私は大阪で実家暮らし、彼は東京で一人暮らし。バイトしてお金がたまったら、私が何日か遊びに行く。数日間の同棲生活を楽しんで、私は大阪へ帰る。たいてい夜行バスで行く。JR大阪駅前のバス乗り場…
満月これは土の匂い/自意識前髪で隠す
いつも遊んでいた子はいるはずのない子だった。母が近所へ出かけたりご飯の支度で不在になり、さて残った子供たち二人で何をしたものかという折にいつもその子は現れた。金髪のバービー人形に母の手作りのニット服を着せたら「じゃあこのオーロラ色のスカー…