文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

上/下品(伊勢崎おかめ)

現在、小学5年生の息子から聞いた話である。

息子が4年生の時、5年生の担任に、「出っ歯でメガネの痩せたおばさん」先生(以下、X先生とする)がいたらしい。X先生の指導は非常に厳しく、授業中のみならず、休み時間中であっても、児童が不適切な発言や行動をとると、口頭で注意した上で、400字詰原稿用紙2枚分の反省文を書かせるのだという。

 

息子に、どんなことを言ったら叱られるのか尋ねてみたところ、他の児童を貶めるような発言(アホ、バカ、キモい等)、そして下品な言葉だそうで、具体的には「おっぱい」「ちんこ」「うんこ」等の単語とのことである。授業中に関係のない発言をしたら叱られても仕方がないとしても、「おっぱい」や「ちんこ」等は、小学5年生の男児であれば、日常的に口にする単語ばかりである。休み時間の発言に関してまでいちいち厳しく締めつけ、反省文まで書かせることが正しい教育なのかどうかはわからないが、X先生はそういう理念の下、教育を行っておられるのであろう。

 

ある時、Fという男児が「ちびまる子」と発言したところ、X先生が「何ということを言うの!」と怒り出し、F君に反省文を書いて提出するよう要求したとのことである。「ちびまる子」のどこが不適切発言なのかさっぱりわからないが、息子によると「先生は、『ちびまる子』を『ち・まる・こ』と聞き間違えと思う」とのことだった。つまり、X先生の脳は、「ち・まる・こ」→「ち○こ」→「ちんこ」と補完してしまったのだろう。X先生のほうがよっぽど卑猥である。F君がX先生に「『ち・まる・こ』とは言っていない」と反論したのか、また、実際に反省文を書いて提出したのかどうかは不明であるが、もし、反省文を書いて提出したのであれば、やってもいないことで叱られ、あげく反省分まで書かせられたのだから、相当な屈辱を味わったに違いない。F君の気持ちを考えるとやりきれなさがこみあげてくる。

 

人によって、どこからが下品で、不快に感じる言葉か、という境界線があると思う。私は、もちろん、TPOをわきまえて、話す相手も選んではいるが、わりとカジュアルに下品な言葉を口に出してしまうほうなので、「ちんこ」や「おっぱい」等はあまり下品な単語だとは思っていない。人間の身体、ましてや誰にでもついている生殖器を表す単語のどこがいやらしいというのか。「ちんこ」や「おっぱい」から勝手に性行為を思い浮かべて「いやらしい単語」だと判断する人の方がよっぽど下品である。ただし、女性器を表す単語だけは別であると考えているので、口に出しはしない。このような、人によって異なる上品と下品の境界線がわからないので、「私が下品だと思う言葉は○○です」というようなネームプレートを、国民全員に胸元あたりに着用するよう義務づけてはいかがだろうか。「あなたは○○が下品な言葉だと思ってるんですね!」という会話から始まるコミュニケーションもあると思…うわけないだろう。

     

それでは、このへんで失礼したいと思う。

 

                          ちんこ

                          かしこ