文芸ヌー

生活に負担のないブンガクを。 文芸ヌー

恋は桃色(Yves Saint Lauにゃん)

"ここがどこなのか どうでもいいことさ"

細野晴臣の『恋は桃色』という曲の歌い出しである。ベッキーとゲスの極み 川谷氏の不倫騒動の経緯を知った時、この曲が頭の中で流れた。

恋は人を盲目にするとはよく言ったもので、恋に落ちると誰もがその甘さに酔いしれ、周りの目など気にならなくなる。川谷氏が既婚者であったため、今回はこの様な騒ぎとなってしまったが、恋に落ちる事を止められる人間など、この世にはいないだろう。また、恋に落ちる事は罪ではない。この点は忘れてはいけないと考える。

"せーの"

流出したLINEにこんなやり取りがあった。正直、私もやってみたいと思った。かなりの桃色度だ。離婚届を卒論という合言葉に置き換え、互いを慰め合う。これもなかなかの桃色度だ。川谷氏の妻への背徳感も手伝い、SEXにも似た甘美さがやり取りから感じられる。二人は何度も何度も既読のメッセージを読み返しては、その悦びに浸った事だろう。確かに今回の騒動は社会的に認めてもらえるような事ではない。しかし、我々は彼らの恋を他人事の様に笑う事ができるのだろうか?そんな風に思いながら、自らの恋を振り返ってみた。

"猫を飼ってみたい"

遠い昔、同棲していた恋人が私に言った言葉だ。書き出し小説でも使っているYves Saint Lauにゃんというペンネーム。このペンネームのきっかけでもある。私は、猫はもちろん、動物を飼った事などなかったが、彼女を喜ばせたい一心から、勢いだけで猫を飼いはじめた。彼女は喜び、猫も彼女と私に懐いた。結果的にすべてが上手くいった。猫と暮らす生活も想像以上に楽しく、強いて問題を上げるなら、彼女のお気に入りのYves Saint Laurentのシューズに猫がおしっこをひっかけた事くらいだった。彼女と私と猫の幸せな日々は数年続いた。しかし、彼女と私との関係は永遠ではなかった。他に好きな男ができたと言って、彼女は私と三匹の猫を残し、部屋を出て行った。恋に終わりは付き物であり、仕方のない事だ。悲しくはあったが、私に猫を残してくれた事が唯一の救いだった。年月が経った今、盲目な恋の中、手にしたものが猫であって良かったと思う。

"簿記の資格を取りたい"

あれから二年が経ち、今は別の女性と交際している。もちろん猫も健在だ。彼女は都内で事務の仕事をしている。正直なところ、かなりかわいい。数ヶ月前、キャリアアップのために簿記の資格を取りたいと私に言った。私は彼女を応援したくなり、次の日に簿記の参考書を二冊買い、一冊を彼女にプレゼントし、一冊を自分のものとした。休日は私の部屋で一緒に簿記の勉強をする。私が演習問題を出し、彼女が答える。そんな生活に幸せを感じている。つい先日、一緒に簿記検定試験を受けた。私だけが合格してしまったのだが、そんな事はどうでも良かった。彼女が簿記三級を諦めない限り、私は演習問題を出し続けるし、二級の参考書も既に二冊購入済みだ。なぜなら、私のこの恋は桃色なのだから。

如何だっただろうか?「で?」とでも思って頂ければ幸いだ。次はあなたの恋の話を聞かせて欲しい。ただし、桃色に限る。


2016年1月19日 20:29 Yves Saint Lauにゃん 自宅にて全裸で記す