文芸ヌー

生活に負担のないブンガクを。 文芸ヌー

府中本町の鳩 (哲ロマ)

ハトが乗り、次で降りた。

いきなり手前味噌で申し訳ありませんが、わたくしが書き出し小説モチーフ「鉄道」の回で採用されたすごく面白いやつです。
てか、手前味噌って何ですか?手前、味噌?奥?醤油?手前味噌、奥醤油、左みりん、右バルサミコ酢?あとでググールしてみますね。バルサミコ酢ってなんか、言いたくなりますね。あ!バルサミコ酢ってなんか、言いたくなりま酢ね!面白い。


モチーフ「鉄道」

自分は仕事の移動手段がもっぱら電車です。電車では毎日、毎時間、毎分毎秒マヌケなことが起こっているのです。大好きです。マヌケなこと。
冒頭の手前バルサミコ酢な書き出し小説も実際、早朝、府中本町という駅で、武蔵野線という電車の出発を待っていた時の出来事がきっかけで書き出せました。
日曜日、府中本町始発のその電車はガラッガラに空きまくり、どこ座って良いんだか迷って泣き出してしまうぐらいの空き具合でした。そこで僕は泣くのをグッと堪えて座りました。あ、一人称がコロコロ変わりますが気にしないでください。気分次第です。
そう、ガラッガラの武蔵野線、我輩は座って出発を待っていたのであります。確か爆睡こいてるオネーサンとスポーツ新聞読んでるおっさんと我輩ぐらいしか、その車両には居なかったと思うナリ。
 自分は端っこに座り何をするでも無く、将来を不安に思いながら、とにかく残高の事は忘れよう、と無我夢中でただただ数字を1から順に頭の中で数えていました。日課です。


ハトが見えました。

開いてるドアから。ホームをトコトコ、地面をつんつん、なんも無さそうだけどなんかあるのでしょう、つんつん、つんつん、なんか食ってます。
あー、こんなガラッガラだとあのハト、来そうだな。そう思いながら見ていました。数字を数えるのは中断です。


ハトが乗りました。

トコトコ来ました。あらやだ入っちゃった。爆睡ねーちゃんはもちろん、スポーツ新聞おっさんもエロスなページのおっぱいに夢中で気付きません。僕だけ、ハト、見守ります。
発車しちゃうよ?これまでの電車人生でハトと同じ車両になった事は無かったので、少しドキドキしました。
ドアが閉まって発車したらこのハトはどうなるのか?パタパタ慌て始めるのか、トコトコ気付かずにつんつんなんか食ってんのか、飛ぶのか、次で降りんのか。


僕は次で降りるハトを想像しました。

トコトコと乗り、ドア付近、人間が立って乗る時に一番人気のあの場所、進行方向を向き、つり革持たずとも後ろの座席の仕切り板?もしくは棒、みたいな部分にもたれかかれるあの場所にじっとするハト。どこまで行くのかと思っていたら次ですぐトコトコ降りるハト。飛んで行けよ!想像しました。マヌケです。
結局そのハトは出発前に車両から出たので、次で降りることも無かったのですが、おかげで残高の事もすっかり忘れ、とても晴れやかな気持ちになり、あーやっぱり、ハトって平和の象徴なんだな!て思うわけもなく、ただひたすら、また数字の続きを数えたのでした。


ところでコレ今、高崎線って電車乗りながら打っているのですが、なんも面白い事起こりませんね。
次で降ります。