文芸ヌー

まもるべきものはなにもない。文芸ヌー。

グラビアポエム 第五回 (g-udon)

g-udonです。先日、転勤で東京に移り住んでから初めて近所の銭湯に行ってきました。サウナ室は10人も入れないくらいの小さな空間で、中央に腰掛けるやいなや続々と常連客の老人集団が入ってきて私を取り囲み四方山話をはじめました。傍から見ると完全に私が輪の中心で腕を組んで聞いている部族の長(おさ)のようです。そして嫌でも入ってくる会話の内容が「小中学校で組体操が禁止される風潮に関して」でした。人間ピラミッドの危険性に対する意見が素っ裸のおやじの間でああだこうだと酌み交わされ、その真ん中でひたすら俯いて汗を流している私の心は今にも押し潰されそうになっていました。
 前置きが長くなりましたが、第五回グラビアポエムです。今回は「家庭ゴミ」です。ハードルの高いというか訳の分からないお題に対して精鋭たちが素晴らしい作品を寄せてくださいました。



 

f:id:ttakahas:20180507115630j:plain『燃やそうと思えば燃えるゴミの日』


一年に一度、この町の住人が一番楽しみにしている日だ

盛り上がりは1ヶ月前からはじまる

今年は何を燃やしてみようか、町はそんな話で溢れかえっている

この日、住人にはセンスが問われる

倫理、常識、化学、エコ、全ての学問や概念を覆し

見た人が愛に包まれるそんなゴミはないか

去年は思いつめすぎて不参加だった

今年は出してみようと思っている

宮沢りえのSanta Feを出してみようと思っている

あの時の衝撃までは燃やせはしないはずだから

 

by Yves Saint Lauにゃん





 

f:id:ttakahas:20180507115630j:plainホワット・ア・ワンダストワールド 」


みんなが俺をゴミだと言うが

そうは思わない

 

俺が捨てられたのではなく

俺が世間を捨てたのさ

 

素晴らしい世も素晴らしくない世も

分別しないでさよならだ

 

俺は夢の島に行く予定

たっぷり寝かせた人形とバカンスさ

旅に飽きたら自分自身を探ればいい

 

金も銀もついてない黄色いくちばし

流されなかった流せるティッシュ

2月14日が塗りつぶされたカレンダー

『にげる』と書かれたメモ 白髪十数本

名も無きカス 名のあるクズ

 

捨てた世間がほんのり懐こい

結局俺らはみんながゴミで

すべてこみでワンダフルってことさ

 

by 松っこ





 

f:id:ttakahas:20180507115630j:plain「きみとぼく」


きみと一緒に過ごした日々
過去に行ったり未来に行ったり
危険な目に逢ったり ステキな出会いがあったり
そんな充実した日々は
ぼくの宝物だ

ぼくはきみを困らせることが多くて
時にはひどく叱られて
けんかしたこともあったね

いつも強がって言えなかったけど
今なら言える

ごめん
ぼくは きみのことが大好きなんだ

ひみつ道具を(ピーーー)に使ってしまって
きみはもの言えぬ姿になってしまったけど
ぼくたちはずっとずっと
ともだちだよ


ありがとう ドラえもん


by 伊勢崎おかめ





 

f:id:ttakahas:20180507115630j:plain「BLUE」


右から順に
マス目を
ひとつひとつ波打たせて
上昇


by ババア伝説




 

f:id:ttakahas:20180507115630j:plain「ゴミDust Rhymin'」


One for the money
Two for the show
3・4がなくて
5み出しが今日

One for the money
Two for the show
3・4がなくて
5み出しだ今日

今日は金曜 ゴミ出し担当
別の日に出せば怒る町長
$UZY起床 かなり早朝
起きて読むのは意外と聖教
昨夜妄想 朝に膨張
使ったティッシュの量は相当
下品発想 Like a 中坊
今日も労働
そんでオンザロード

One for the money
Two for the show
3・4がなくて
5み出しが今日

One for the money
Two for the show
3・4がなくて
5み出しだ今日

 

by MC $UZY






 ●自由部門


 「横顔」

好きすぎるから ちょっと嫌いになってから家を出る。

イヤなところ イヤなところ イヤなところ

少しだけど、帽子のセンスがヘンな時がある。

少しだけど、笑い方が大袈裟すぎる時がある。

少しだけど、顎が出て見える時がある。

もう、絞り出すのも限界だ。

好きすぎて頭がおかしくなりそうだから、

だから、早く僕に気付いてください。

それが無理ならいっそ、いなくなってください。

ちゃんと泣けたら、すっきりできるだろうから。

我儘すぎるお願いで、ごめんなさい。

 

by 正夢の3人目




 「都会の女」

無色透明でノスタルヂックな
L.A.帰りの夢を背負った
ダイヤモンドの行商人と

正しい薔薇の香りに溢れて
生姜醤油に漬け込んだままの
人生訓の短冊売りが

満天の星空や茨の道や 茫洋たる海原を
超えて待ち合わせ場所を
間違いながらも

出逢ったが百年目
ビルヂング出会い頭に
膝小僧同士をみみっちくぶつけあって
互いの名刺を懐の中で交換するのでした

先月閉園した養老院に忍び込んだ
若者のカップルは淫靡な遊びを愉しみ
この国で一番偉い人が病気になって
病棟から駆け出した船員たちが巡視船に飛び乗ってゆきます

これら有象無象の妄念から女のにおいが集まって
それは女になり
ビル風に耐えて摩天楼を闊歩します
それは 確かに 女だったのでした

 

by ボーフラ




「はいどろひょうどう」

H・Y・DRO はいどろ
H・Y・ODO ひょうどう

みずみずしいぜ はいどろ
むさくるしいぜ ひょうどう
46歳

外国語なのさ はいどろ
石川生まれさ ひょうどう
育ちは山口

H・Y・DRO はいどろ
H・Y・ODO ひょうどう

どこから来たのか はいどろ
同級生なのさ ひょうどう
昨日も飲んだ

はいどろ~!ひょうどう~!
はいどろ~!ひょうどう~!
いえぇぇぇ~!!

さんきゅ!

 

by xissa

 


グラビア部門は今回、実験的な作品が多く寄せられました。ご紹介した作品以外にもTOKUNAGAさんやxissaさんの一行コピー的なものもあり、今後の広がりを期待させてくれています。
また、ひさびさの自由部門では数ある秀作の中から厳選。みなさんの頭の中からわき出すポエ虫(ぽえむ)がそれぞれ超個性的で、たまらない味を出しています。
 全作品は掲示板で要チェック!→  http://6208.teacup.com/n00/bbs/t3/l50
☆次回お題も投稿受付中です。よろしくお願いします☆