文芸ヌー

生活に負担のないブンガクを。 文芸ヌー

天久聖一

ときめき☆デッドマンうぉ~きんぐ(天久聖一)

オーディションの帰り道、盛大についたため息が白くなった。 先週、春一番が吹いたというのに、今日は打って変わって寒の戻りで、渋谷のスクランブル交差点には、肩をすくめたコート姿が並んでいる。信号が変わり、人の波にもまれながら対岸の渋谷駅まで流さ…

ときめき☆デッドマンうぉ~きんぐ(天久聖一)

高校を卒業して看守になったことに、深い理由はなかった。 本当は東京に出てマンガ家を目指したかった。しかし、女手ひとつで育ててもらった母にとてもそんなことは言えなかった。だからとりあえず地元から逃げるため、いったんは就職しなければならなかった…

当時の私 (天久聖一)

煙突のない私の家に、サンタクロースはいつ、どのように訪問したのか?クリスマスイブの翌朝、当時五歳の私は、内容的にはそのような質問を母にした。 「朝方かなあ、玄関でお母さんにこれ渡して帰っていったわ」 「ほんだら、お母さん見たん?」 「見たで」…

山伏 額 で検索する。(天久聖一)

以前から山伏が額につけている、黒い多角形の「アレ」が気になっていた。検索窓に「山伏 額」で打ち込むと、期待通りその詳細を知ることができた。読むとアレは頭襟(ときん)と呼ばれる装具らしく、山道で転んだ際、額を保護する役目があるという。 しかし…