文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

作文

38,39/101(xissa)

ひまわりの影が細い/捨てられた扇風機が空を見上げている

亀と白ギャルと私(伊勢崎おかめ)

私の家は、田と畑に囲まれている。そして、野球場が10個は入るであろう巨大な池が近くにある。毎年、5月から7月頃にかけて、その池から亀が上がってくる。毎シーズン10匹前後は目撃する。体長25cm程のアカミミガメである。彼らは外来種であるので、…

もち米に罪はない

靴底に小さな中曽根が詰まっていた。春はニンニクである。魚の寝言はシチリアの風に吹かれたのであろうか? 吉岡は獨協大学出身だった。よく洗えていないフライパンを証拠として提出した。反復横飛びにおいて、反復がもっとも大事であることは言うまでもない…

日々(ボーフラ)

私が精神病棟の取材を終えて、帰りしな、自販機でコカ・コーラを買った時の事だった。旧知の知人に声をかけられた。彼はこの病棟で働いている。LINEを交換して、私はアパートに帰った。 そのまま連絡をする訳でもなく、私は、精神病棟の取材と並行して、ひき…

台所刑事(ゆふ)

クリアなスープと違い、チゲはアクも一緒に煮込む事で旨味が増す。 グツグツと煮えたぎる赤い汁を見ているうちに確信を持ち。携帯を手に取った。 「道明寺、被害者の子ども達の保育園を調べて。」 「深田さん、今何時だと思ってんすか!」 「朝の4時よ。チゲ…

36,37/101(xissa)

旨いが二度と作れない/全部売り切れ

錯覚をパラパラっと(哲ロマ)

【かき氷のシロップは色が違うだけで実は味全部同じ】緑色のシロップでメロン味、赤いシロップでイチゴ味、黄色でレモン味、色が違うだけでそういう味だと錯覚して食べている。実はその味は全部同じらしい。錯覚。ずっとそうだと思い込んでいたものが実は錯…

34,35/101(xissa)

あめ玉も夕焼けもすぐ溶けてしまう/失くす以前に持ってなかった

あはれならざる時間(伊勢崎おかめ)

かの清少納言は『枕草子』にこう記した。 「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり」 あっそ。じゃあ私は、あはれでないと思うものを挙げてみよう。逆に。 それは、…

32,33/101(xissa)

土踏まずは知らない泥の道/人のつむじしか見るものがない

パワハラ部長 (ボーフラ)

2004年12月5日 7:05:31 天気は晴天。だが心は本当にブルーだ。 今日も部長のパワハラがある。だが、こうやって ブログにそれを書けているというのが、数か月前と 比べて僕の進歩だ。 2004年12月8日 23:55:04 部長の失敗は、僕の失敗になった。具体的に 書け…

上/下品(伊勢崎おかめ)

現在、小学5年生の息子から聞いた話である。 息子が4年生の時、5年生の担任に、「出っ歯でメガネの痩せたおばさん」先生(以下、X先生とする)がいたらしい。X先生の指導は非常に厳しく、授業中のみならず、休み時間中であっても、児童が不適切な発言や…

31/101(xissa)

空瓶美しく酔っている

ただ夜を走る(哲ロマ)

帰宅する。今日もなかなかハードな一日だった。靴を脱ぎ鞄を降ろし、ふと時計に目をやる。迷ってはいない、答えは決めていた。迷っているフリをしただけだ。やれやれ、疲れたんじゃないのか、お前もしかして、やるつもりかいもう一人の自分が呆れて僕に語り…

散文詩(ボーブラ)

僕は電車を待っていた。とても疲れているので、駅のホームに座り込む。喉がひどく乾くので、ペットボトルのお茶を飲む。それでも足りないので、妹が持たせてくれた水筒を飲む。もうまるで立ち上がれないみたいだ。 電車がゆっくりと近付いてくる。僕は奇声を…

ミスチル (渡辺宏)

渡辺宏さんは、町役場を定年退職したのちリタイアライフを謳歌する、御年71歳の謹厳実直な男性です。

29,30/101(xissa)

ワイパー空振って町は滲んでいる/灼けつく駐車場の無口

CM考察~フジパン本仕込編~(伊勢崎おかめ)

そのCMを見て、「あんた誰やねん!?」と思った。何のCMの誰に対してそう思ったのか。2019年3月上旬現在放映されている、フジパン本仕込のCMに出演している、女優の松下由樹氏に対してである。 画像を貼れば「あぁ、このCMか」とすぐご理解頂け…

田舎の駅にて(ボーフラ)

ローカル線の知らない駅に用事があり、下車した。駅前にある自販機に、ここにしかない珈琲があると、ネットで読んだ。僕がそれらしき自販機に近付くと、その自販機は既に営業を停止していた。ネットの写真自体が嘘だった。そもそも場所が違う。騙された。次…

井筒監督 (大伴)

先月の話。近所の焼き鳥屋にひとりで入店。カウンター席に案内されると、左5メートルほど離れた席に先客がいた。男はすでに酔っ払っている雰囲気で、カウンター内の店長と会話に花を咲かせていた。僕はそちらを直視することはなかったが、その特徴的なダミ声…

全力フィーカ(哲ロマ)

スウェーデンにはフィーカの習慣があるのだとカーラジオが言っていた。 フィーカとは何なのか、フィーカとは、まあ、ラジオから聞いた情報を自分なりにまとめてざっくり言うと、同僚、友人、恋人、家族とコーヒーやら紅茶やらを飲んだりパンやらお菓子やらを…

勝手に寄り添わないでください(伊勢崎おかめ)

近年、主にサービス業の広告などでよく目や耳にする言葉がある。 それは「寄り添う」である。 ・お客様一人ひとりに寄り添う対応を実現するために ・お客様にそっと寄り添うサービスを ・「まごころ」を込めてお客様に寄り添う これらは実際に広告で用いられ…

28/101(xissa)

港町錆びて軋む

トシと鎧と豆まきと(井沢)

「お呼びしましたゲストは、今年、年ヨロイヅカでもある鎧塚トシ彦さんですどうぞ〜」「何ヨロイヅカもたいてい僕になりません?」「お集まりの皆さま、節分をもって暦は春!新しい一年の始まりです。さ、鎧塚さん、豆をどうぞ」「これはまた立派な純金の升…

ばあちゃん (紀野珍)

四台のストーブでぼんやりと温められた広間の隅々に、抑揚のきいた読経が行き渡る。 師走。北東北の午後二時。陽はだいぶ高度を落としているが、窓の外はまぶしいくらい明るい。うずたかい根雪に反射して射しこむ光が、祭壇と、パイプ椅子に腰かけて故人を悼…

マスオのやつ(哲ロマ)

いつかの夕食の時、何のきっかけだったかは忘れたが、奥さんと、サザエさんの中で流れるいろんな音楽の話になった。てってれてれれれてれって〜、てってれてれれれてれって〜、てってれてれれ、てってれてれれ、てれれてれれてれてれって〜それな主に何事も…

ボジョレーヌーボー (大伴)

妻は風呂に入り、義実家のリビングには私と義父が残された。義父とは仲が微妙なわけでもないが、そこまでフランクに会話を続けられるような関係でもない。どことなくこわばる空間。古いディズニーのクロックだけがリビングに時を流す。義父は必要がなければ…

ツイン(哲ロマ)

仕事であちこちへ行く。仕事仲間をトラックの助手席に乗せ遠くへ行く。仕事仲間と二人で遠くのビジネスホテルに泊まる。経費を節減するため時には男二人でツインルームに泊まる。まあ一泊だけだし、相手がどんな人であろうが、ほとんど寝るだけの一泊だし、…

蝋人形の部屋(ボーフラ)

数年前から通っているバーのバーテンダーの部屋に招待された。その夜はバーに官憲が巡回に来て、やれアルコールの度数が強いだの、やれ喫煙席から煙が漏れているだの(カーテンで遮蔽しているだけだ)、全く商売にならなかったので、僕とバーテンダーは、肩を…

いのち(伊勢崎おかめ)

牧場に遊びに行った。そこは、乳搾りやバター作り体験のできる牛の牧場だった。他にも、搾りたての新鮮な牛乳の試飲や、乳製品の販売なども行っていた。食べてはいないが、搾りたての牛乳で作ったソフトクリームはさぞかし美味だろう。 牧場内をうろうろして…