文芸ヌー

生活に負担のないブンガクを。 文芸ヌー

伊勢崎おかめ

親しらずを抜いた話(伊勢崎おかめ)

私には3本の親知らずがあった。左の上下と右上の計3本である。右下の親知らずは、生まれつき存在していなかった。左の上下は近所の歯科で抜くことができた。問題は右上だった。レントゲンを撮ったところ、右上の親知らずは水平に生えており、しかも、隣の…

笑ってはいけない法律事務所(伊勢崎おかめ)

約15年、法律事務所で働いる私が、今までに見た一番変わったファッションの相談者についてお話ししたいと思う。 交通事故の被害者であるM氏。来所予定の時間になり、受付のインターホンが鳴ったので行ってみると、年齢は50歳前後だろうか、中肉中背でゴ…

行ったことのない国の旅行記 ~スペイン編~(伊勢おかめ)

5月。マドリードのプラターニャ空港に降り立って吸い込んだ空気は、とても乾いていた。「マドリード」という地名は、「半島の大いなる母」という意味らしく、なんだか、母に抱かれているような温かな気持ちになった。ターンテーブルから荷物を受け取って税…

スナック青い鳥(伊勢崎おかめ)

今夜は雨降りだからかお客さんが来ないねぇ、アケミちゃん。ちょいと灰皿取ってくれるかい?あぁ、悪いねぇ。しばらくお客さんも来なさそうだし、アタシの昔話でもしようか。 アタシんち、父ちゃんが酒乱でろくに働きもしないから、母ちゃんが内職してアタシ…

100人乗っても大丈夫(伊勢崎おかめ)

大学を出て、某商社に入社した。配属された部署は、建築・建設関係だった。本当は就きたい職業があったが、超就職氷河期であったため就活が思うようにいかず、投げやりな気持ちになりかけていたときに採用してもらえた商社だった。正直、「名前を聞いたこと…

私は吉田羊です。(伊勢崎おかめ)

始めまして。吉田羊です。本日はよろしくお願い致します。 そうなんです。今回、初めて恋愛映画に出させて頂きました。いつも気のきつい女性や、キャリアウーマンの役などが多いので、ちょっと戸惑いました(笑)。 え?私は吉田洋です。 今回、竹之外豊さん…

書き出し自選・伊勢崎おかめの5作品(伊勢崎おかめ)

おはこんばんちは! (あらゆる時間帯の読者様に向けて) 第5回「書き出し自選」を担当いたします、伊勢崎おかめでございます。 私は、第3回(2012年11月)から書き出し小説に参加しているので、早いものでもう5年半ほどになります。当然ですが、そ…

ヤギのキンタマと世界平和(伊勢崎おかめ)

高校1年生のとき、アメリカのバーモント州にある学校に語学留学していた。授業が休みだったとある土曜日、カナダのケベック州に遊びに行くことになった。カナダといっても、バーモント州の北部とケベック州の南部は国境を挟んで隣接しており、バスで数時間…

映画『ネバーエンディング・ストーリー』から考える「名前」の重要性

子供の頃、親に映画館に連れていってもらって観た映画『ネバーエンディング・ストーリー』(以下、NESと略称する)にどハマりしていた時期があった。当時、高級品だった映画のビデオテープを買ってもらい、文字通り、テープが擦り切れるまで何度も何度も…

「変身」 藤原○香Ver. (伊勢崎おかめ)

はじめまして。伊勢崎おかめと申します。 「書き出し小説大賞」の方では「おかめちゃん」と名乗っておりますが、いい年こいた昭和生まれの女が自分でちゃん付けすることに限界を感じていたので、この名前で執筆させて頂きます。以後宜しくお願いします。 私…