文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

ごあいさつ (天久聖一)

文芸というとなにやら高尚に聞こえるけれど、つまりは文をつかった芸である。私にとって文芸は、芸術というより演芸に近い。高い理想を追うよりも、もっと身近な相手を想定したささやかな自己表現。 その芸は巧くなくていい、磨かれてなくていい。どうにかこ…

書き出し自選・suzukishikaの5作品(suzukishika)

おぴんぴん! suzukishikaです。お世話になっております。 人生のほぼ全期間を北海道で暮らしていますが、1年だけ上京したことがあります。そのとき北海道に恋人を置いていったという実体験を元に書いたコピーが数年前にことのほかバズりまして、今に至るま…

34,35/101(xissa)

あめ玉も夕焼けもすぐ溶けてしまう/失くす以前に持ってなかった

2019年5月のおしながき

文芸ヌー第19号

あはれならざる時間(伊勢崎おかめ)

かの清少納言は『枕草子』にこう記した。 「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり」 あっそ。じゃあ私は、あはれでないと思うものを挙げてみよう。逆に。 それは、…

あらすじ小説

《小説のあらすじだけを書く企画。文体は自由ですが、書きづらい人は文庫本の解説っぽく書いてみてください。》 物語の書き出しだけ書くのが趣味なひとたちが、がんばってもうちょっとたくさん書きました。今回はゴールデンウィーク特集です。5月1日から25…

書き出し自選・流し目髑髏の5作品(流し目髑髏)

書き出し自選・私の5作品 #流し目髑髏 #吉田髑髏 皆様、令和ですね。 令和初日何をしていましたか? 私は右脹脛の肉離れで足引き摺ってまぁまぁ大変でした。 健康第一、令和イズヘルシーで残りの令和を駆け抜けたい所存です。 流し目髑髏と吉田髑髏。私は書…

32,33/101(xissa)

土踏まずは知らない泥の道/人のつむじしか見るものがない

2019年4月のおしながき

文芸ヌー第18号

パワハラ部長 (ボーフラ)

2004年12月5日 7:05:31 天気は晴天。だが心は本当にブルーだ。 今日も部長のパワハラがある。だが、こうやって ブログにそれを書けているというのが、数か月前と 比べて僕の進歩だ。 2004年12月8日 23:55:04 部長の失敗は、僕の失敗になった。具体的に 書け…

書き出し自選・prefabの5作品(prefab)

Buenas noches! (こんばんは!)最近一緒に働いているスペイン出身の方が日本語の勉強してるのを見て、折角なので隣でスペイン語の勉強を始めたprefabです。3週間ほど経った今、私はえっちらおっちら続けてるのですがスペイン人の方はもう日本語の勉強に飽…

書き出し自選・小夜子の5作品(小夜子)

こんにちは、小夜子です。平成も終わりかけのいま、まさしく棚ぼた的にご指名をいただき、今回の「書き出し自選」を担当いたします。 ご指名ありがとうございます。一度は言ってみたい言葉じゃないですか?「ご指名ありがとうございます」って。普段生活して…

上/下品(伊勢崎おかめ)

現在、小学5年生の息子から聞いた話である。 息子が4年生の時、5年生の担任に、「出っ歯でメガネの痩せたおばさん」先生(以下、X先生とする)がいたらしい。X先生の指導は非常に厳しく、授業中のみならず、休み時間中であっても、児童が不適切な発言や…

「書き出し自選」のおしらせ

ごうがいだよ。 あのね、「かきだしじせん」ね、しょじじょうにより つぎはさよこちゃんのたーんになりました。 ぱちぱちぱち。 へいせいのうちにとうこうしたい、ってさよこちゃん ぶあついいきごみをかたってましたので みなさんおたのしみにね。 ヌーより…

31/101(xissa)

空瓶美しく酔っている

ただ夜を走る(哲ロマ)

帰宅する。今日もなかなかハードな一日だった。靴を脱ぎ鞄を降ろし、ふと時計に目をやる。迷ってはいない、答えは決めていた。迷っているフリをしただけだ。やれやれ、疲れたんじゃないのか、お前もしかして、やるつもりかいもう一人の自分が呆れて僕に語り…

2019年3月のおしながき

文芸ヌー第17号

散文詩(ボーブラ)

僕は電車を待っていた。とても疲れているので、駅のホームに座り込む。喉がひどく乾くので、ペットボトルのお茶を飲む。それでも足りないので、妹が持たせてくれた水筒を飲む。もうまるで立ち上がれないみたいだ。 電車がゆっくりと近付いてくる。僕は奇声を…

ミスチル (渡辺宏)

渡辺宏さんは、町役場を定年退職したのちリタイアライフを謳歌する、御年71歳の謹厳実直な男性です。

29,30/101(xissa)

ワイパー空振って町は滲んでいる/灼けつく駐車場の無口

CM考察~フジパン本仕込編~(伊勢崎おかめ)

そのCMを見て、「あんた誰やねん!?」と思った。何のCMの誰に対してそう思ったのか。2019年3月上旬現在放映されている、フジパン本仕込のCMに出演している、女優の松下由樹氏に対してである。 画像を貼れば「あぁ、このCMか」とすぐご理解頂け…

2019年2月のおしながき

文芸ヌー第16号

田舎の駅にて(ボーフラ)

ローカル線の知らない駅に用事があり、下車した。駅前にある自販機に、ここにしかない珈琲があると、ネットで読んだ。僕がそれらしき自販機に近付くと、その自販機は既に営業を停止していた。ネットの写真自体が嘘だった。そもそも場所が違う。騙された。次…

井筒監督 (大伴)

先月の話。近所の焼き鳥屋にひとりで入店。カウンター席に案内されると、左5メートルほど離れた席に先客がいた。男はすでに酔っ払っている雰囲気で、カウンター内の店長と会話に花を咲かせていた。僕はそちらを直視することはなかったが、その特徴的なダミ声…

全力フィーカ(哲ロマ)

スウェーデンにはフィーカの習慣があるのだとカーラジオが言っていた。 フィーカとは何なのか、フィーカとは、まあ、ラジオから聞いた情報を自分なりにまとめてざっくり言うと、同僚、友人、恋人、家族とコーヒーやら紅茶やらを飲んだりパンやらお菓子やらを…

勝手に寄り添わないでください(伊勢崎おかめ)

近年、主にサービス業の広告などでよく目や耳にする言葉がある。 それは「寄り添う」である。 ・お客様一人ひとりに寄り添う対応を実現するために ・お客様にそっと寄り添うサービスを ・「まごころ」を込めてお客様に寄り添う これらは実際に広告で用いられ…

28/101(xissa)

港町錆びて軋む

トシと鎧と豆まきと(井沢)

「お呼びしましたゲストは、今年、年ヨロイヅカでもある鎧塚トシ彦さんですどうぞ〜」「何ヨロイヅカもたいてい僕になりません?」「お集まりの皆さま、節分をもって暦は春!新しい一年の始まりです。さ、鎧塚さん、豆をどうぞ」「これはまた立派な純金の升…

ばあちゃん (紀野珍)

四台のストーブでぼんやりと温められた広間の隅々に、抑揚のきいた読経が行き渡る。 師走。北東北の午後二時。陽はだいぶ高度を落としているが、窓の外はまぶしいくらい明るい。うずたかい根雪に反射して射しこむ光が、祭壇と、パイプ椅子に腰かけて故人を悼…

ワガクニ。(小夜子)

『うわさのヒューマン』と同時期に発表した作品です。こちらも再発行の予定がないので公開します。ご購入下さった方、お手に取って下った方、ありがとうございました。