文芸ヌー

生活に負担の少ないブンガクを。 文芸ヌー

書き出し自選・井沢の5作品(井沢)

「書き出し小説大賞」の作家が自身のオススメ作品を紹介する「書き出し自選」。第14回を担当いたします、井沢です。普段は語感だけで単語を転がして遊んだり、イラストを描いたりしています。 デイリーポータルZのいち読者だった私が書き出し小説大賞に投稿…

もち米に罪はない

靴底に小さな中曽根が詰まっていた。春はニンニクである。魚の寝言はシチリアの風に吹かれたのであろうか? 吉岡は獨協大学出身だった。よく洗えていないフライパンを証拠として提出した。反復横飛びにおいて、反復がもっとも大事であることは言うまでもない…

日々(ボーフラ)

私が精神病棟の取材を終えて、帰りしな、自販機でコカ・コーラを買った時の事だった。旧知の知人に声をかけられた。彼はこの病棟で働いている。LINEを交換して、私はアパートに帰った。 そのまま連絡をする訳でもなく、私は、精神病棟の取材と並行して、ひき…

台所刑事(ゆふ)

クリアなスープと違い、チゲはアクも一緒に煮込む事で旨味が増す。 グツグツと煮えたぎる赤い汁を見ているうちに確信を持ち。携帯を手に取った。 「道明寺、被害者の子ども達の保育園を調べて。」 「深田さん、今何時だと思ってんすか!」 「朝の4時よ。チゲ…

36,37/101(xissa)

旨いが二度と作れない/全部売り切れ

錯覚をパラパラっと(哲ロマ)

【かき氷のシロップは色が違うだけで実は味全部同じ】緑色のシロップでメロン味、赤いシロップでイチゴ味、黄色でレモン味、色が違うだけでそういう味だと錯覚して食べている。実はその味は全部同じらしい。錯覚。ずっとそうだと思い込んでいたものが実は錯…

2019年6月のおしながき

文芸ヌー第20号